1. HOME
  2. モーターサイクルライフ
  3. 【DIRTSPORTS】林道でパンクしてしまったら…!? 作業が楽で時短可能なパンク修理法!【メンテナンス】

【DIRTSPORTS】林道でパンクしてしまったら…!? 作業が楽で時短可能なパンク修理法!【メンテナンス】

林道走行ではパンクのリスクを避けるために空気圧を高めにするライダーが多いが、それでもパンクの可能性はゼロではない。現場トラブル対応のエキスパートでもあるk-cross加藤店長が、簡単で楽なパンク修理法を教えてくれた!

PHOTO&TEXT/D.Miyazaki 宮崎大吾
※本記事は過去連載記事を加筆修正したものです

取材協力店: k-cross

モトクロス、エンデューロ、トライアル、モタード、そして林道まで、整備、メカニックとして活躍中の加藤店長。レースの第一線で活躍する一方で林道もこよなく愛し、釣りやコーヒーなどアウトドア全般にもめっぽう強いので、林道好きな方はぜひ遊びに行ってみては? 
バイクをベースにした「遊びの提案」から「レースの勝ち方」まで提案してくれるぞ!

林道でパンクしてしまったら…!?

今回k-cross加藤店長が教えてくれたのは、林道など現場でのパンク修理の方法。センタースタンドがない状態でのタイヤ交換は、バイクを地面に寝かすことで行うことができるのだが、それよりも断然楽なのが今回紹介する方法だ。すなわちサイドスタンドでバイクを立てたまま、チューブを引き抜き、パンク修理をするのだ。車体からタイヤとチューブを外す必要もないので、時短にも繋がるし、作業自体も楽だ。

 今回作業したバイクにはトライアル系の柔らかいタイヤを装着していたこともあり、加藤店長はあえてタイヤレバーを一切使わずにビードを落とし、最後にタイヤを組み込む所までできてしまった。とはいえ、リアタイヤの場合は流石に手だけでは無理なので、タイヤレバー2本ほどを保持しておくと安心だ。

 加藤店長が林道走行時に携帯する工具も、走りをスポイルさせないたいめの必要最低限のもの。小さいな箱に収納でき、シートとリアフェンダーの境目あたりに固定する。

 伸縮性のあるテーピングと瞬間接着剤を使用したレバー破損時の補修や、ガス欠時に他車からのガソリンをチューブで移すコツなど、あらゆるサバイバル術を持つ加藤店長。ラリーや林道走行などを行うライダーは、サバイバル術を覚えるためにも、お店に訪れてみてはいかがだろう。

加藤店長が携帯する工具はコレ!

加藤店長が携帯する工具など
●エアゲージ/ エアポンプ(アダプター付) ●チューブレス用のパンク修理キット ●広口のショートモンキーレンチ(アクスルシャフトやステムナットまでカバーできるもの。狭い箇所用の8-10mmなどのレンチも別途必要)
●必要なサイズのスパナ(加藤店長の場合は10,12mm重視、チェーンの緩みなども調整) ●カッター(軽量化のためグリップ、プラスチック部分を取り除いている) ●ヤスリ(パンク修理などで活用) ●1/4サイズのコマ(自車で使うサイズを調べておく) ●8,10,12,14mmソケット ●+-ドライバー、ヘックス  ●虫まわし(バルブコア掃除機能付き) ●ワイヤー少々
●ロッキングプライヤー (バイスプライヤー)は、大きすぎないことが大事! チェンジペダル脱落時の代わりに緊急時に使用する際、大きすぎると自重で脱落してしまう。工具の延長やワイヤーのツイスト、カットなどにも使える

フロントタイヤがパンク!

パンクしやすいのはリアタイヤだが、フロントタイヤがパンクしたら前進すらできず、停滞を余儀なくされるパターンが多いため、今回はフロントタイヤの修理を解説してもらった
パンクしやすいのはリアタイヤだが、フロントタイヤがパンクしたら前進すらできず、停滞を余儀なくされるパターンが多いため、今回はフロントタイヤの修理を解説してもらった

1.両面のビードを落とす

1.両面のビードを落とす
を使って両面のビードを落とす。ヘビーチューブだと落ちにくく苦戦するかもしれないが、ノーマルチューブ+トライアルタイヤならばタイヤレバーを使わず、手だけで落とせた

2.一箇所をめくる

2.一箇所をめくる
カッターで1箇所を押さえておき、タイヤレバーでビードをめくる。こんなところでグリップを外しておいたカッターが役立つ!

3.少しずつめくっていく

3.少しずつめくっていく
1箇所めくれたら、焦らずに少しずつめくっていく。通常のタイヤ交換の時を思い出して、確実に作業を進めていこう

4.チューブを外せる状態へ

4.チューブを外せる状態へ
ある程度ビードがめくれたら、フロントタイヤを回転させても良いが、バイクをバックすることでも楽に外せる

5.チューブを取り出す

5.チューブを取り出す
チューブを引き抜く。ここからはいわゆるパンク修理の作業となる

いざ、パンク修理へ!

1.チューブのリブをヤスリで削る!

1.チューブのリブをヤスリで削る!
1.チューブのリブをヤスリで削る!

パッチをつける箇所のリブをヤスリで削り落としておかないと、この段つきが空気漏れを引き起こしてしまう。紙やすりでも良いのでリブを落とそう

2.糊が乾いてからパッチを貼る!

2.糊が乾いてからパッチを貼る!
多くの人が失敗するのは、糊が乾かないうちに焦ってパッチを貼ってしまうこと。「糊を乾かして、ゴミが付着していない状態で貼るのが正解」と覚えよう。糊を塗ってから最低10分は待ち、その後フロントフォークなどに当ててしっかりと貼る

3.チューブを入れる

3.チューブを入れる
チューブのバルブとリムの穴をだいたいの位置に合わせてから、組み込んでいこう

4.リムの穴にバルブを通す

4.リムの穴にバルブを通す
通常のタイヤ交換時よりも隙間が多く、チューブの穴にバルブを合わせるのは簡単だ

5.はめた所を下で支点にしてタイヤを組み込む

5.はめた所を下で支点にしてタイヤを組み込む
ここからはタイヤをリムに組み込む作業だが、手で入れられるところは入れてしまおう。コツは最初にはめた所を下に置き、支点にして残りをはめること。加藤店長の場合、タイヤレバーを使わずに入れてしまう

6.最後はレバーを逆向きにして入れる

6.最後はレバーを逆向きにして入れる
通常のタイヤ交換時と同様、最後はタイヤレバーを逆向きにしていれる。リムとレバーの間でチューブが巻き込まれると再びパンクしてしまう恐れがあるからだ。たとえ挟まっても逃げるように、逆向きにする

関連記事