ライテクQ&A【ライディグフォーム・街乗り編】|元モトGPライダーが一問一答!
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街乗り編
レーシングライダーだってツーリングもするワケで、公道でのライテクにも一家言あって当然。そこで、街乗りで使えるテクニックや意識の持ち方などを質問してみた。すると、実はサーキットで役立つような回答もあった!
Q1:Uターンが苦手です!
A=Aoki:半クラとリアブレーキで上手く調節しましょう
私も苦手です(笑)。半クラッチとリアブレーキを使う練習をしましょう。ベテランのようにクルッと小さく回らなくてもいいです。最終的にバイクの向きが変わればいいのですから、降りて押すのもアリ。
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A=Nakano:スロットルは一定でクラッチで速度調整
まずは両足を着いてコツを掴んでいく感じでしょうか。ヨロッときたら焦ってスロットルを開けてしまいがちですが、姿勢が崩れて不安定になります。2ストみたいにクラッチワークで進む方がいいでしょう。
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Q2:公道でもサスペンションセッティングはしていますか?
A=Aoki:基本的には標準の設定のまま乗っています
私はしませんね。公道では飛ばさないし、セッティングも基本的には「吊るし(スタンダード)」のまま。いじったとしても減衰を少し緩める程度でしょうか。サーキットではもちろんセッティングします。
A=Nakano:最近の電子制御サスペンションは優秀。おまかせでも良いでしょう
近年のバイクはよく出来ているので、あまりしないです。SSならスポーツ走行用に少し硬めなので柔らかくして、乗り心地や足着きをよくすることはあります。あとはある程度ブレーキのかけ方や乗り方でカバーします。ライディングモードに連動する電子制御サスペンションはプロの目から見ても秀逸。走りながらでも変更できるので、イジると楽しいですよ。
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Q3:サーキットの経験で公道に活かせることは?
A=Aoki:公道の危険性を知り安全意識が高まります!
安全性に配慮されたサーキットを走ることで、公道がいかに危険か分かります。公道の怖さに気付くことが、もっとも有意義な「サーキットでの経験」ですね。テクニックとしてはブレーキングです。公道ではハードブレーキングは原則的にありません。でもサーキットでは超高速~極低速へと減速しますので、「こんなにかけられるのか!」という経験ができます。これが公道でのいざという場面で役立ちます。
逆に、公道でサーキット走行のため練習ができるのもブレーキングです。赤信号などで停止する直前、できるだけ丁寧なタッチでレバーをそっと握り、完全に停止した時にもフロントフォークが伸びないくらいゆっくり止まる。これは有効な練習になります。
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A=Nakano:バイク操作にまつわるあらゆることです!
前後ブレーキの掛け方や体重移動などなど、活かせることは本当に多いです。高速域で出来ることは、公道の低速域でも出来る。危険予知や安全マージンの取り方も、サーキットでの経験が生きています。