【正解のライン取り:Part2】 中野真矢がよくある悩みを解決! 「ブレーキングの見極め」
筑波サーキット・コース1000を例に、よくあるライン取りの悩みをピックアップ。うまくできない理由と、その克服方法を中野真矢さんに教わろう!
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筑波サーキット・コース1000を例に理想のライン取りをご紹介
お悩み1:ブレーキングに不安がありオーバースピードでラインを外しがち
正解:バイクが直立しているうちに制動のためのブレーキを終わらせる
コーナー進入でのブレーキングは、なるべく短時間で終わらせるのが理想。とはいえ、いきなり〝ガツン〞とかけると車体の挙動を乱しやすい。
「だから最初にフロントブレーキを軽くかけてフォークを沈め、前輪を潰し、ここから強く握って制動力を引き出します」と中野さん。
ここまでは車体が直立またはそれに近い状態を保ち、フロントタイヤを潰してグリップを最大限に引き出すことが重要。
「徐々にブレーキを強くしている人も多いのですが、リーンしながら強い入力をすることになるので、スリップダウンのリスクが高まります。結果、恐怖心からブレーキが上手くできず、ラインを外しがちになります」
お悩み2:ブレーキングで車体が不安定になりがち
正解:ブレーキでは腕を突っ張る! フルバンクの瞬間力を抜く
「ライディング中は腕に一切力を入れないと勘違いしている人は多いんです」と中野さん。実際には、とくに減速時にかなり力を使う。
「ハンドルを強く握るという意味ではありません。肘関節を伸ばし気味の状態でロックする感じで、腕を突っ張り棒にして、上半身が減速Gに負けて前傾したり、不安定になるのを防ぎます」
これにより制動時のフォームが安定し、さらに鋭いコーナリングに繋がる。
「フロントブレーキを完全にリリースする寸前まではロックをキープ。リリースと同時に突っ張りを解くと、自然に上体が落ちて鋭くターンでき、タイトなラインに載ることができます」
お悩み3:狙った地点からバンクさせるのが難しい
正解:ブレーキをフルバンクの直前までわずかに掛けて姿勢を制御
中野さんは、直立状態で強い減速を終えてから、一次旋回でフルバンクする地点までの間にある〝寄せる〞区間を、とても大事にしている。
一般ライダーの場合、ここは空白の時間になりがちなのだが、上手なライダーはブレーキ入力を弱めつつも継続することでフロントフォークを縮め続ける。これにより、キャスターが立ち、車体の旋回力が高まった状態を保っているのだ。
そして、もっとも強く曲げたい地点まで寄せていき、到達したところでブレーキをリリース。これをきっかけに車体をバンクさせる。バイクは、フロントブレーキをかけると起きようとする。逆に、それまであった入力をキャンセルすることで、バンクさせやすくなるのだ。