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【青木宣篤流 断じるライテクQ&A|Part06】コーナーリングがわからない・・・・[01]

倒し込みの方法から、バンク角の把握の仕方まで、コーナリングにはお悩みポイントが満載だ。だが、青木さんにコーナリングという意識はあまりない。ブレーキングと立ち上がり加速の間にある「過程」だ。

Q56|コーナリングのきっかけは、ステップワークですか? ハンドル操作ですか?
Q57|コーナリング中、イン側のハンドルを無意識に押し気味にしている時があるのですが何か間違っていますか?
Q58|セルフステアだけで曲げられますか? ステアリング操作をするべきですか?

A|コーナリングのきっかけは、原則的にハンドル操作です。

ステップワークでもいくらかの旋回力は発揮しますが、それだけで曲がることはできません。ハンドル操作はもっとも効果的にライダーの意思をバイクに伝える術ですから、必須です。操作は、イン側のハンドルを押すのが基本なので、Q57の方は正解です。

ところで、私はライダーの積極的なハンドル操作を推奨していますが、だからと言ってセルフステアを否定しません。セルフステアはバイクの構造上必ず発生する挙動なので、否定しようがないのです。コーナリングから立ち上がりにかけて、車体を起こす際のきっかけとしてセルフステアを活用もしています。

ですが、セルフステアがコーナリングの邪魔をすることもあります。スピードによってセルフステアを使い分ける必要があるのです。ですからQ58の方によりていねいに回答するなら、「セルフステアだけで曲がることも可能ですが、低速コーナーに限られます」となります。

逆に、高速コーナーになればなるほど、ハンドル操作の重要性が増します。現役として世界グランプリを戦っていた当時、超高速サーキットで行われるレースでは、グローブの掌部分に穴が空くほど力を込めていました。想像以上の強さで、ハンドル操作しているのです。

Q59|低速コーナーでの操作法や車体が不安定になった場合の回復方法を教えてください
Q60|筑波サーキットの最終コーナーなど中速以上のコーナリングに不安があります   低速コーナーのようにバンクするタイミングが分からずメリハリのない走りになってしまいます
Q61|高速コーナーと低速コーナーでは走り方は違うのですか?

バイクは、速度域によって必要な操作や操作強度が変わります。ライテク論にバラつきがあるのは、想定速度域が異なることも大きな要因でしょう。本来は、速度域がハッキリしなければライテクを語ることもできません。

ですから私の場合、ライテクの対象はサーキットでのスポーツライディングに限定しています。これほど速度域とバイクは密接な関係にあるため、ここで皆さんがおっしゃる「低速コーナー」「中速コーナー」「高速コーナー」がどの程度の速度域かによって、回答は変わります。ですから一般論でしかないとお断りしておきます。

低速コーナーが不安定になるのは、フロントの荷重不足とジャイロモーメント不足が原因です。Q59の方はハンドルに体重を乗せるとよいと思います。不足しているモノが補填されます。

中速以上のコーナーでメリハリが作れないQ60の方は、恐らくスロットルを開けたまま進入できるようなコーナーを想定しているのだと思いますが、あえて軽くブレーキングするとよいでしょう。あえて減速→加速というステップを設けることで、メリハリが出せます。

Q64|右旋回がやりにくいのはなぜ?

A|私は左コーナーが不得意です。

そして右コーナーの方が気持ちよく、速く走れます。ですが、なぜか左コーナーの方が体が落としやすいため、写真映えするのは左コーナーなんですよね。人の体は左右対称ではないので、左右で得手不得手があるのは仕方ないことと受け入れています。

Q63|バンク角が深いほど曲がりやすくなるのでしょうか?

A|基本的にはYESです。

しかしバンク角が深いと恐怖感が増すし、転倒などのリスクも高まります。無闇にバイクを寝かせることはオススメしません。

Q62|小さく回るV字コーナリングのために必要なのは、深いバンク角ですか?

A|V字コーナリングの実現にもっとも必要なのは、速度を落とすことです。

速度を落とせば、自然にカクンと曲がれます。車体を寝かせることで曲がろうとするより、よほど安全で効果的です。

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