【青木宣篤流 断じるライテクQ&A|Part06】コーナーリングがわからない・・・・[02]

倒し込みの方法から、バンク角の把握の仕方まで、コーナリングにはお悩みポイントが満載だ。だが、青木さんにコーナリングという意識はあまりない。ブレーキングと立ち上がり加速の間にある「過程」だ。
Q65|バンク角はどのように把握してコーナリングしていますか?
A|匂いで嗅ぎ取っています。
……というのは半分冗談、半分本気です。「匂い」とは、長年の経験で培われたセンサーのこと。「これ以上寝かせたら滑るぞ」とか「もっとイケるぞ」など、匂い=感覚で感じているのです。そういった経験的かつ感覚的なセンサー以外では、路面との物理的な接触が挙げられます。
バンク角を深めていくと、ニースライダー、バイクのステップ先端のバンクセンサー、さらにはカウルやマフラーなど、あちこち路面に接触します。そのコンタクトの仕方でバンク角を把握します。
Q66|コーナリングの時車体をどこまで倒していいか分からない
A|一概には言えません。
バンク角の限界は、バイクや、そのバイクが履いているタイヤの性能によって異なるため、一概には言えません。もっとも確実なのは、本誌主催の「ライディングパーティ」など信頼できるインストラクターが揃うサーキット走行会に参加し、自分のバイク、タイヤ、そして走りを見てもらうことです。
一般の方は、意外とバイクは寝ていないので、「まだまだ大丈夫だよ」と言われることが多いでしょう。ただし、無意識かつ無造作に危険領域まで寝かせてしまっている人もいます。やはりインストラクターにチェックしてもらうのがもっとも安心だと思います。
Q67|思うようなコーナリングができません
A|どんなコーナリングが理想なのか知りたいです。
私自身は、「コーナリング」という行為を意識することがほとんどありません。サーキットを速く走るためには、加速が命です。加速するために必要なのは、コーナリングすることよりも、ブレーキングでしっかり減速すること。コーナリングは過程でしかなく、できるだけ短くしたい、というイメージです。
Q68|コーナリング中視線はどこを見ていますか?
A|ブレーキを完全にリリースするポイントをロックオンしています。
よく、「視線はコーナーの先へ、先へ」と言いますよね。でも私の感覚では、視線を動かすと視界のすべてが流れてしまい、状況判断が困難に感じます。
ブレーキを完全にリリースするポイントを見続けていれば、ターゲットがブレずに見定めやすいし、視点が固定されるので自車の車速を把握しやすいというメリットもあります。
目標に向けて予定通り進めそうだと分かった時点で、出口に視線を向けます。2段階視線ということですね。

Q69|下りのヘアピンを上手に曲がるテクニックは?
A|ブレーキをしっかりかけましょう。
オーバースピードゆえに曲がり切れていないケースがほとんどです。一般ライダーの方は、ほぼ全員が制動力不足。下りのヘアピンではそのデメリットが顕著に表れ、結果、上手に走れません。速く走りたいなら、しっかり減速。これがポイントです。
「下りのヘアピン」と聞くと、イギリスのドニントンパークサーキットにあるオールドヘアピンを思い出しますね。速度が乗ってしまうので、とにかく止まらなかった。怖いというより、「ちゃんとブレーキかけなきゃ!」という思いしかありませんでした。
Q70|青木さんが「コーナーが速い」と思ったライダーは誰ですか?
A|MotoGPだとホルヘ・ロレンソでしょうか。
ヤマハYZR-M1+ブリヂストンタイヤの頃のロレンソは、コーナリングマイスターでした。世界GP250cc時代のマックス・ビアッジのコーナリングも強烈に速かったですね。
いずれにしてもコーナリングスピードを高めるライディングはかなり特殊で、感覚がかなり鋭敏に研ぎ澄まされていないと不可能です。
また、マシンセッティングやコースコンディション、タイヤのグリップ、そして本人のフィジカルやメンタルなど、さまざまな条件によって左右されやすい面も。コーナリングで勝負をかけるのは、1つ歯車が狂うと調子を崩しかねないシビアさがあります。