【青木宣篤流 断じるライテクQ&A|Part08】タイミングがわからない・・・・

やることが多いスポーツライディングでは、どの時点で、何をするかを明確にすることが大事。ひとつひとつのタイミングを体に覚えさせよう。
Q78|いろいろ考えて走ると何もかもタイミングがメチャクチャになります
A|最初のうちは「1走行枠1課目」を心がけてください。
「ブレーキングして、ハンドル操作して、体をこうやってああやって、ヒザを出して、ブレーキをリリースして、視線を……」
なんて考えながらやっていたら、誰だって「あーッ! もう無理!」と、すべての動作がバラバラになってしまいます。スポーツライディングは特に緊張感が高いだけに、パニックに近い状態になりかねません。
人間の能力を超えた速度域でいっぺんに多くのことをこなすのは、非常に難しいものなのです。
ですから、「1走行枠1課目」。「今回はブレーキングだけ」とか、「今回は1コーナーだけ」といった具合に焦点を絞って、反復練習をしてください。いずれ意識しなくても、各操作を行っている自分に気付くはずです。
Q79|コーナリング中のギア操作をどのタイミングで行えばよいか悩む時があります
A|シフトダウンは、車体がまっすぐ起きている状態で行うのが鉄則です。
袖ケ浦フォレスト・レースウェイの3~4コーナーにかけての回り込んでいる箇所など、車体が寝たまま行わなければならないこともあります。その場合は余分な挙動を与えないよう、シフト操作に丁寧さが求められます。
シフトアップはコースレイアウトにより要求が異なるため一概には言えませんが、レッドゾーン近辺まで回転数を上げてから行えるのが理想です。各コーナーにギア比がバッチリ合っていれば悩まずに済みますが、「アチラを立てればコチラが立たず」で、すべてはうまく行かないんですよね。本当に悩ましい。
80|コーナリング進入直前のニーグリップからコーナリングのフォームへの切り替えタイミングが分かりません
ブレーキング開始からしばらくはヒジに力を込めて張り、全力で減速Gをタイヤに伝えます。
車速がある程度落ちたら徐々にブレーキはリリースしていきますが、それに伴って減速Gが弱まっていき、バイクが旋回に移行し始めたあたりを目安にして、少しずつ内側のヒザを開いていくといいと思います。
この時、外足でしっかりタンクを押さえていなければ、ヒザはうまく開きません。立ち上がりでスロットルを開けてからは、外側ステップを後方に向けて蹴り出すようにして、加速Gに耐えます。
フォームの移行タイミングを掴むには、前後方向にかかるGと連動させるような意識を持つと効果的ですよ。