【Historic Bikes/KAWASAKI Z750 Four(D1)/1978(カワサキ・Z750 フォア)by K-FACTORY】~まるで新車のような丸Zの最終型~【R/C インプレッション】
※この記事は過去に掲載された記事を再編集した内容です。
走り、美しさ、存在感。すべてがドラマチック 「バイクの免許を取得したのが、78年の高校1年生の時だったから、バイクに乗り出す直前、中学生の頃にこのZ750 D1をバイク雑誌でよく見ていた。トリプルディスクって呼んでいて……懐かしいなぁ。ホンダファンだったけれど、やはりZは当時から男っぽいフォルムだと思っていたし、その響きは神秘的だった」と宮城。
この車両はケイファクトリーの代表である桑原さんの愛車。それをMSセーリング代表の竹内さんがフルオーバーホールした。 D1は、72年のZ1&2から始まったいわゆる丸Zの最終型だ。Z1と比較すると、ディメンションやフレーム、タンク形状なども変更されている。ブレーキはフロントがダブルディスク化され、リヤはドラムからディスクブレーキになった。宮城が冒頭で語った“トリプルディスク”だ。ハンドリングは車体剛性を増したことによりZ1&2よりも少しだけ近代的に。そして、Z750シリーズは翌年からFXへ、いわゆる角Zに進展していく。
「40年前のバイクの良さ、当時のスピード感を改めて教えてくれる」
「まるで新車みたい。ミッションの作動性も良く、クラッチも軽い。全開にして、回転が上がりカムに乗るところで音が変わっていく感じがたまらない。速くはないけれど、40年前のバイクの良さ、当時のスピード感を改めて教えてくれるね。当時のサスペンションに、スポークホイールとブレーキ、タイヤは最新だけれどバイアス。でも、ハンドリングも気持ちがいい。良い音を奏でるエキゾーストノートも気分を盛り上げてくれるね」と宮城は絶賛する。
桑原さんのD1のコンディションは信じられないほど良いのだ。桑原さんの愛情、そして竹内さんのきめ細やかなこだわりが、そのまま感じられた。ケイファクトリー製のマフラー以外はフルノーマル。スロー系から調教されたキャブレターは、スロットル開け始めの過渡特性が良く、空冷2バルブの4気筒エンジンの気持ち良さを見事に引き出している。 車体は大柄だが、ハンドリングは扱いやすく、当時のZらしさを教えてくれる。それは感動的なほどの気持ち良さだった。走るほどに気持ちが高揚していく。そして、その魅力は走りだけではない。エンジンの美しさ、存在感のあるスタイル、すべてがドラマチックだった。