History of SUPERSPORT-SINCE 1974-
途切れながらも続いてきた正統派ドゥカティ 2021年型でモデルチェンジしたSUPERSPORT 950。そのルーツとなるのは、Lツインと称された90度2気筒エンジンに、デスモドロミックを初搭載した750SSだ。SUPERSPORTは消滅と復活を繰り返しながらも、そのコンセプトは脈々と続いてきた。
乗り手の要求に過不足なく応える最適なスポーツ性能
スーパースポーツ(以下、SS)という車名は、かつてドゥカティのフラッグシップマシンのものだった。その源流は1972年4月、イモラ200でポール・スマートが走らせて優勝したF750ワークスレーサーにある。この勝利を記念したレプリカモデルが750SSだ。’73年3月にプロトタイプを発表後、同年末から市販車の生産がはじまり、およそ400台が出荷された。 同時期にラインナップされていた750GTとは空冷Lツインというエンジン型式と排気量こそ同じだが、750SSにはデスモドロミックを採用していた点で大きく異なる。 ’75年には排気量を864㏄とした900SSが登場。最高出力は73㎰で750SSと同数値だが、低回転域でパワーとトルクを生むため乗りやすさに優れた特性だった。 そして’79年、900MHRが登場する。MHRとは『マイク・ヘイルウッド・レプリカ』の略称で、’78年のマン島TTでの優勝を記念したレプリカマシンである。900SSは’82年まで生産されたが、フラッグシップの座を900MHRに譲り、それから数年間、SSという車名はラインナップから姿を消す。 やがてフラッグシップはパンタ系Lツインを搭載する750F1となり、’88年の851スーパーバイクへと継承されていく。こうしてドゥカティのフラッグシップはレーサーと密接な関係を持つマシンが担うことになり、レーシングイメージを強固に確立するスタイルが定着した。 SSの復活はドゥカティのそうしたイメージ戦略と、ラインナップのキャラクターが明確になった頃だ。スーパーバイク直系851。スポーツツアラーのパゾ。その中間を埋めるSSは、ストリートを中心にサーキットも楽しめる走行特性とし、851の水冷Lツインに対して空油冷とすることで、パワーだけでなくエンジンフィーリングも楽しめる。 スーパーバイクというフラッグシップがいることで、SSは速さだけでなく、乗りやすさを追求することができた。それがSSの強みだった。 しかしスーパーバイクとモンスターの狭間でSSは再び影を潜め、北米仕様として細々と残った。そうして’98年、燃料供給をインジェクションとしてフルモデルチェンジしたSSが現れる。車体設計はピエール・テルブランチが担当し、車名はSS900と変更された。だがまたしてもSSはドゥカティのラインナップの中でさまようことになる。 ST、ムルティストラーダ、ハイパーモタード、スポーツクラシックなど個性的なマシン群に没してしまったのだ。 しかし、SSは’17年にまたも復活した。パニガーレとは一線を画し、現在のラインナップで「ストリートに根ざしたスポーツ性能」というキャラクターを確立させた。時代に翻弄され続けたSSではあるが、そのコアコンセプトはドゥカティがずっと大切にしてきたものなのだ。
歴代 スーパースポーツ進化のあゆみ since 1974~present 2021
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イモラレプリカと呼ばれたプロトタイプの翌年に発売し、ドゥカティを象徴するモデルとなった。市販車のLツインとしてデスモドロミック機構を初採用した他、高圧縮比のピストンなどによって750SPORTよりも最高出力は9ps高められており、ドゥカティのフラッグシップスポーツモデルとして君臨
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いたが、それ以降は騒音規制に合わせてキャブレターはφ32mm、ラフランコーニ製の静かなマフラーが装着されるようになった。そして’82 年まで生産され、ドゥカティのフラッグシップを担った
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’77 年に登場した900SD DARMAH は、 デスモエンジンを搭載したスポーツツアラーで、スタイリッシュな外装が特徴だ。’79
年にはロケットカウルを装備した900SS DARMAHが登場して人気となった
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インジェクション化を中心としたフルモデルチェンジを行い、車名の前後が入れ替わった第3世代。フェアリングは曲面を生かした造形で、先代同様にハーフフェアリング版もラインナップされた。やはり750ccモデルも継承され、後期型では800cc化、900は1000㏄へと拡大されたが、’06 年式が最終となった1975900SS
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750SSの復刻版ともいえる スポーツクラシックPaul Smart 1000 LE
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