タイヤはどう温める? 交換時期の判断は?【タイヤの疑問をディアブロマンが解消!】
これからの時期、タイヤのウォームアップには春夏以上に気をつけたい。もう少し月日が経つと、来季に向けてタイヤ交換の検討する人もいるだろう。そこでディアブロマンに、ウォームアップやタイヤ交換に関する助言をもらった。
【DIABLOMAN】’23年にデビューし、’24年から“中の人”が明かされつつ増加した、ピレリジャパンのオフィシャルライダー。’24 年のライパでは、フリージャーナリストで鈴鹿8耐や海外レースの参戦経験も豊富な伊丹孝裕さんが、メインで活動を担当した
PHOTO/S.MAYUMI, PIRELLI JAPAN TEXT/T.TAMIYA
どんなコースでも3周は様子を見ながら走行
気温と路面温度が低下するこれからの季節は、サーキット走行のコースイン直後にいきなりペースを上げるのではなく、しっかりタイヤを温めることが重要。公道走行にも対応するスポーツタイヤの場合、昔と比べれば温度依存性は低い傾向とはいえ、冷えたカタい状態では本来の機能を発揮できず、グリップ不足が転倒につながる可能性も高まる。
ただし、ウォームアップは何も秋冬だけ意識すればよいというわけでもない。ディアブロマン(伊丹孝裕さん)は、コースインから全開走行までの流れについて、以下のようにアドバイスする。
「タイヤウォーマーを使わないなら、1周の距離に関わらず、コースインから3周はゆっくり走り、タイヤを温めて内圧を上げます。この間に、車体各部や自分自身の動きも確認。問題ないことを確かめてからペースを上げましょう」
タイヤを温める効果的な方法は、「コーナーではなくストレートでの荷重」とディアブロマン。やや高めのギアで多めかつ長めにスロットルを開け、減速時はじわっと長めにフロントブレーキをかけ、これによりタイヤをたわませて発熱させる。
「いわゆるローリングは、まったく効果がないとは言いませんが、蛇行することになるので走行会では危険だし、タイヤが冷えた状態でバンクすることでリスクも増えます。加速と減速でタイヤを温めましょう!」
またディアブロマンは、「3周のルーティンを守り、路面状況はそれほど悪くないのに、それでも安心感や接地感が以前の走行より薄らいだように感じたら、タイヤをまず疑ってみていいと思います」と話す「表面がきれいで、溝がまだまだ残っていても、経年劣化などでタイヤの性能が落ちることはあります。
初中級者の場合、判断に自信が持てない人も多いようですが、自分の感覚こそがライダーとして一番重要。〝何かおかしい〞と感じたら、タイヤ交換を検討してみてよいと思います。
これは『いつも滑らない場所で滑った』とか、『トラコンが介入』なんて場合も同じ。もちろん数万円の出費は痛いですが、ケチって大惨事を招くより、早めの交換で安心感を買うほうがお得です!」
よく言われる交換時期のサイン
サイドウォールには、製造の「週/西暦年」が2桁ずつの数字で表記される。タイヤは、紫外線や湿気や高温などの影響で劣化するので、スリップサインが出ていなくても、使用開始から3年程度で交換したい。
スーパーコルサSCなどのハイグリップタイヤはタイヤウォーマーはやっぱり必要?
サーキット専用のディアブロ・スーパーコルサSC-V4には3種類のコンパウンドがあり、SC1とSC2はタイヤウォーマーの使用を前提に設計。ロングラップ用のSC3のみ、温度依存性が低めでウォーマーなしでも使える。
スーパーコルサSP-V4はパターンこそSCと同様だが、コンパウンドや内部構造は公道走行も考慮した設計なので、ウォーマーなしで問題ない
よりイージーに扱えるスポーツツーリングタイヤ
ディアブロ・ロッソⅣコルサに代表されるようなスポーツツーリングタイヤは、フルシリカコンパウンドの積極採用。
ウェットを含む幅広いコンディションへの適応力が高められており、ウォームアップも早め。