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HONDA CBシリーズの60年『1960 CB72』

初めてCBの名を冠したバイクが登場した60年前は、群れ成すメーカーがしのぎを削るスポーツバイクの黎明期。いつの時代もCBはライバルと戦ってきた。その熱くて厚い歴史を身に纏い、CBは未来に向かって走り続ける。

1960 CB72 レーサーに肉薄する性能でCBの名を世界に確立

レースでの活躍に止まらず、高速化する道路事情と高度成長期にも呼応して、250スーパースポーツが誕生そのパワーと乗り味は、国内外のライダーを虜にした CB92登場の興奮も冷めやらぬ翌60年、今度は250㏄クラスにスーパースポーツモデル「CB72」を投入した。

エンジンはウエットサンプ式の潤滑方式や12V電装など、メンテナンス性や信頼性を高めた実用車のC72をベースに徹底的にチューン。1気筒辺り1個のキャブレターを装着し、圧縮比もアップして市販レーサーのCR71と同じ最高出力24㎰を発揮。

それだけに当時の広告には「このクルマは70km/h以下ではトップで走行できません」という過激なコピーまでついた。 また、エンジンは高回転でスポーツ向けの180度クランクのTYPEⅠ(最高速度155km /h)と、低中速域で扱いやすい360度クランクのTYPEⅡ(最高速度145km/h)を用意した。

エンジン性能に目を奪われがちだが、レーサー同様のパイプ製ダイヤモンドフレームやテレスコピックフォークなどシャシーも本格的。それだけにCB72の速さと乗り味は、国内はもとよりアメリカでも大人気を博したのだ。

左側のタコメーター(9000rpm からレッドゾーン)に対し、指針が逆方向に回るスピードメーター。ハンドルは低い一文字
左側のタコメーター(9000rpm からレッドゾーン)に対し、指針が逆方向に回るスピードメーター。ハンドルは低い一文字
それまでのプレスバックボーンから、ワークスマシンや市販レーサーと同様のパイプ製のダイヤモンドフレームを採用
それまでのプレスバックボーンから、ワークスマシンや市販レーサーと同様のパイプ製のダイヤモンドフレームを採用
ステップバーの取り付け穴を3 カ所設けた、今でいう“可変ポジションステップ”を装備。かなりバックステップにできる
ステップバーの取り付け穴を3カ所設けた、今でいう“可変ポジションステップ”を装備。かなりバックステップにできる
ツインキャブレター装備の247ccSOHC2気筒は24ps を発揮。180度クランクのTYPEⅠと360度のTYPEⅡがあった
ツインキャブレター装備の247ccSOHC2気筒は24ps を発揮。180度クランクのTYPEⅠと360度のTYPEⅡがあった

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