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現代バイク用語の初級講座【ラジアルタイヤとバイアスタイヤ】

何かと専門用語が多いバイクの世界。自分でも使うけど、実はよく知らない……なんていう言葉も多いはず。「今さら」なんて言わずに、Let’s Study!

内部構造に秘密がある!【ラジアル・バイアス】

タイヤにはラジアルタイヤとバイアスタイヤが存在し、両社の違いは内部構造に由来する。タイヤはゴム製品というイメージが強いが、単純にゴムを成形したものではなく、複数の素材から構成されている。まず、一番内側にタイヤの骨格ともいうべき「カーカス」と呼ばれる布状の素材が用いられる。 

布状とはいうものの、繊維を縦横に折り合わせているわけではなく、コードという繊維を撚ったものを単一方向に並べてゴムで貼り付けたものだ。これがカーカスとして使われるのだが、カーカスのコードがタイヤの周方向に対して放射状(RADIAL)に配置したものをラジアルタイヤ。タイヤの周方向に対して斜め(BIAS)に配置したものをバイアスタイヤと呼ぶ。そして、この構造の違いが、両者のキャラクターに大きな影響を与えているのだ。 

ラジアルタイヤは、トレッド面の剛性が高いので、高速走行時に安定性を確保しやすい。バイクの高性能化、高出力化に伴い、生み出されたものともいえる。 

一方、バイアスタイヤにもメリットはある。製造コストが安いため、性能要求値の低い実用車用ではいまだに主流であるし、タイヤの強度を出しやすいので、車両重量があり、それほど高速性能を求められないクルーザー用としても向いている。ラジアルとバイアス、どちらが高性能かといえばラジアルに軍配が上がるが、車種や使い方によって向き不向きが変わってくるものなのだ。

カーカスを交互に斜めに配置し、場合によってはさらにカーカスを積層するバイアスタイヤは、構造上剛性が高い。ラジアルタイヤのカーカスは、バイアスより少なく、それだけでは剛性が弱いので、カーカスの外側に円周状の「ベルト」と呼ばれる非常に強度の高いパーツを配置して補強している。この構造がトレッド面の高い剛性を実現する。
ラジアルタイヤのベルトには、ケブラーやスチールといった高強度な素材が使用される。写真はベルトをカーカスの上に巻いている様子。回転方向と平行であるのが基本。
イラスト右が一般的なラジアルタイヤ。左のように、ラジアルにもカーカスをバイアス的に配置した構造の物もある。また、ベルトの上にバイアス的な構造を追加した物もある。

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