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現代バイク用語の初心者講座【ABSの進化とCBS】

ブレーキも電子制御の時代

2021年10月1日、原付一種と一部の競技車両を除いた、日本国内で販売される全てのバイクに、一定の技術的要件に適合したABSの装備が法律で義務付けられた(原付二種に関してはCBSでも可)。 

ABSはアンチロックブレーキシステムの略称で、制動時にブレーキロックを防ぐ装置だ。ブレーキがロックした状態では制動距離が伸びるし、タイヤがグリップを失っているため転倒の危険性もある。安全性を考えれば、ぜひ欲しい装備だ。 

ABSは四輪で先行して普及し、80年代には一般化していたが、バイクに初搭載されたのは80年代末期。バイクへの普及が遅れたのは、まずスペースの問題。初期のABSは大きく重量もあり、バイクへの搭載が難しかった。また、繊細なブレーキフィーリングが求められる、バイク用ABSの開発が難しかったことと、コストが増大する問題もあった。 

現在では、システムの小型化も進み、電子制御の進化により緻密な制御も実現。スケールメリットによりコストも下がり、義務化に先立って多くのモデルに搭載されていた。また、スポーツライディングを意識した、コーナリングABSといったシステムも登場してきている。 

CBSはコンバインドブレーキシステムの略称で、前後連動ブレーキのこと。フロントかリアのどちらかのブレーキ操作をすれば、前後のブレーキが作動する。CBSも電子制御が進み、ABSと統合した、より安全性の高いシステムも存在する。

◎ABS=アンチロックブレーキシステム

現代のABSは電子制御なくしては語れない。前後輪にセンサーを持ち、いずれかがロックして回転数の齟齬を検知すると、ブレーキの油圧経路に介入し制動力を弱める。どの程度の介入を行うかはABSのECUが判断するのだが、車速やIMUから得られる車体姿勢など、様々なデータを照らし合わせて決定される。自動運転機能でも、制動力を自動調整するABSの存在は大きな意味を持つ

【1988年型 BMW K100RS】世界初のABS搭載市販バイクは、BMWのK100RS。ステップ後ろあたりにABSのユニットを装備しているのだが、現代のものと比較すると、かなり大きかったことが判る

◎CBS=コンバインドブレーキシステム

CBSはリアブレーキだけをかけた時、前後ブレーキが作動するものが多いが、フロントブレーキだけをかけた時にも前後ブレーキが作動するものも存在する。高機能なCBSは、作動時の走行状態をセンシングして、前後ブレーキの制動力を最適なバランスに自動調整するものもある。

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