プリロード整で劇的に乗りやすく!/難しくないサスペンション入門➂
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大排気量スポーツバイクのサスペンションは、さまざまな調整機構がついているけれどイチバンに触るべきは、大抵のバイクが装備している「リヤショックのプリロード」。乗りやすさと安全性を確保するために、まずはここから調整だ!
サスペンション入門の第一歩 自分の体重に合わせてまずプリロードを調整しよう
バイクが〝曲がる性能”を発揮するには、正しい車体姿勢と、きちんと路面を追従できるストローク量が重要。それを決めるのが「プリロード調整」。まずはメーカーの標準設定で、下に記した方法でストローク量を測ってみよう。
当然ながらライダーの体格でステップ3の〝乗車1G”の数値が変わるが、これをステップ2で計測して空車1Gから引いた値が25~30㎜ならおおむねOK。もし足りない場合( 25㎜以下)はプリロードを弱め、多すぎたら強めよう。そして調整後は1Gと乗車1Gを再び計測して、ストローク量を確認しよう。
とくに重要なリヤのストローク量を3つの状態で計測する
Step 1 : 0G リヤタイヤを浮かせた状態で計測
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少々大変だけれど、ひとりがハンドルを支え、二人でタンデムステップ等を持ち上げて、後輪を浮かせてリヤショックが伸び切った状態を計測。この数値はリヤショックを交換したり、車高調整機能をイジらなければ変化しない
計測前にチェーンの張りを確認。タイヤの空気圧も忘れずに!
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計測する起点と終点をマーキングで明確にする
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Step2:1G バイクの自重で沈むストロークを計測
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ハンドルを支えて車体を直立させ、バイクの自重で沈み込む量を計測。この数値はプリロード調整を行うと変化する。ここで0G から1Gを引いた数値はあくまで参考値だが、あまりにストロークが少ないと路面追従性が悪くて危険だ
Step3 :乗車1G ライダーが乗って沈み込むストロークを計測
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テスト車両の場合、Step2 の1G から乗車1Gを引くと30mmだったので、リバウンドストロークは適切といえる。ちなみにモデルの編集・藤田は体重70kg で、ウエアやヘルメット等を加えた装備重量は約80kgだ
最近はプリロード調整しにくいモデルも多い……
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……上で書いたコトと矛盾している様で心苦しいが、最近はハンドブックに「販売店で調整してください」と記されるような、調整作業が難しい車種も少なくない。というか、調整用のフックレンチが車載工具に付属しない場合も多い(オプション、またはバイク用品店で購入しよう)
小~中排気量車でもリヤのプリロードだけは装備する Honda レブル250
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サスの硬さは「伸びる」時に引っ張って確認
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メーカーが想定する標準体重ってどれくらい?
国内メーカーは明確に公開していないが、たとえばドゥカティは「ライダーの衣料込みの体重を80~90kgと想定」とハンドブックに記載。ヘルメットやレザースーツなどは相応に重量があるので、おおむね裸で70kgくらいだろう。