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パニガーレV4Rをストリートファイター仕様に! MOTO CORSEのカスタムDUCATI

※テスト中につき、ラジエターシュラウドは取り外した状態で走行

ドゥカティ最強最速のスーパーバイク「パニガーレV4R」をベースにしたバーハンドル&ネイキッド仕様がこの「ストリートファイターV4R」だ。モトコルセが手掛けたそれは、正式なカタログモデルさながらの完成度を披露。それだけでなく、圧巻のパフォーマンスでサーキットを駆け抜けた。

DUCATI STREETFIGHTER V4R by MOTO CORSE

この走行画像をひとめ見て、違和感を覚える人はまずいないだろう。相当ドゥカティに詳しい人がじっくり見れば、マスターの形状やヘッドライトカバーのカラーリングが異なることに気づくかもしれないが、いずれにしてもストリートファイターV4にライトなカスタムを施した仕様だと思うはずだ。

しかしながら、驚くべきことにベースになっているのはパニガーレV4Rである。レース参戦を前提としたホモロゲーションマシンのカウルを取り払い、セパレートハンドルがバーハンドルに換装されているのだ。文字にすると甚だ簡単ながら、この大仕事をやってのけたのがモトコルセである。

モトコルセは以前、1199パニガーレをネイキッド化し、それに「NVC/Nuda Veloce(ヌーダ・ベローチェ)」という名称を与えている。これはその再来を想定した最初の一歩であり、まずはコンプリートマシンとして送り出されることになった。

走りのパフォーマンスはほとんど完成の域にある。最高出力221㎰、乾燥重量172㎏を公称するパニガーレV4Rがベースになっているのだからスペックに不足があるわけもないのだが、ストリートファイターV4Rを名乗るにふさわしい抜群のフレキシビリティを披露。爆発的な加速力は維持されているどころか、実測の装備重量で8㎏の軽量化(202㎏→194㎏)に成功していることと、ドリブンスプロケットのショート化(42T→44T)によって、さらに上乗せされている。

実際、コーナーから立ち上がった時の弾けるようなダッシュ力にはただただ圧倒される。コーナリング中はハングオフのフォームを取っているため、当然シートから身体をズラしているのだが、ひと度加速が始まると、それを元に戻すタイミングを逸するほどだ。

フットペグを踏み込みながらハンドルに覆いかぶさり、身体をどうにか車体の上に留めているのが精一杯で、横Gが弱まってからようやく座り直す。バーハンドルと221㎰の組み合わせはそういう世界である。 ただし、それ以外の領域はフレンドリーと表現しても差し支えない。特に車体がリーンし始め、フルバンクへ向かう時の手応えはしなやかそのものだ。パニガーレ特有の硬質さがまるでなく、荷重や面圧といったことを意識しなくとも、自在にラインを選べる。 そこに一役も二役も買っているのがモトコルセ流のセットアップだ。

サスペンションの減衰特性とバネレートがリセッティングされ、ハンドルやシートの形状を最適化。これらがもたらす手の内感が、ストリートでの快適性とサーキットでのスポーツ性を生み出している。サーキット由来の性能をストリートで引き出す。それがストリートファイターというジャンルの始まりだが、誰もが思い描く理想がここに詰まっている。

カウルのペイントはコンプリートマシンをオーダーする時の標準メニュー
STMの乾式クラッチにオリジナルのカーボンカバーを組み合わせる
油圧式のプリロードアジャスターを備えるTTX36はモトコルセのオリジナル仕様。バネレートもソフトになっている
BSTのカーボンホイール「Rapid TEK」を採用。これもコンプリート化の際の標準メニューだ

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