【ミシュラン パワー6】ワイドレンジへの対応力が大幅に向上
POWERシリーズの中でも、公道走行へのひときわ高い対応力を持つのがPOWER 6だ。まずウェット性能の高さに驚いた原田哲也さんは、「優れたグリップ力をベースに、温まりのよさ、快適性、そして扱いやすさを備え、ツーリングなど長く走れば走るほどメリットが分かるタイヤ」と語った。
PHOTO/Michelin TEXT/G.TAKAHASHI, RIDERS CLUB
取材協力/日本ミシュランタイヤ TEL0276-25-4411
https://www.michelin.co.jp/motorbike/home-motorbike
気を遣わなくて済むから長時間走行時の疲労を軽減
POWER 6のテストは、気温7度でしかも雨という、バイク乗りなら敬遠しそうな悪コンディションで行われた。慎重派の僕には、かなり怖い状況だ。だが逆に、POWER 6のポテンシャルの高さを思い知らされることになった。温度が低いウェット路面でもタイヤをピリピリと意識することなく、安心して走れたのだ。
ミシュランのスポーツタイヤ、パワーシリーズは、用途によって使い分けができるよう、8モデルもの豊富なラインナップが揃っている。
公道とサーキットいう舞台において、それぞれの使用頻度や優先順位、また求める走りのレベルや路面状況に応じて選ぶことが可能だ。
先に紹介したPOWER GP2は公道50%でサーキット50%、そしてこちらのPOWER 6は公道100%というポジショニングになっている。
優れたウェット性能と、POWER GP2でも感じたウォームアップ性能の高さは、確かに公道用途に向いている。ツーリングを想定してもらえれば分かるが、バイク好きであれば、季節を問わず朝早くから出かけるだろうし、多少天気が悪くても構わずヘルメットをかぶるだろうし、路面状況の悪い場所にも出向くだろう。
そういったさまざまなシチュエーションにおいて、POWER 6は常に安心感を与えてくれる。
POWER 5との比較で言えば、好コンディションでのグリップ力向上より、悪コンディションへの対応力を優先している印象だ。よりワイドレンジに対応できるタイヤになっているから、安心してツーリングに出かけられるだろう。
スポーツ志向の強いPOWER GP2に比べると、乗り味もしなやかだ。ハンドルに伝わってくる振動が少なく、快適。長時間バイクに乗るツーリングでは、ライダーの疲労軽減にひと役買ってくれそうだ。
さて、ドライコンディションでもテストできたのだが、僕はグリップレベルも十分に高いタイヤだと感じた。ミシュランは、POWER 6の用途を公道100%と謳っているが、僕個人の意見では、サーキット走行会レベルなら十分対応できると思う。たびたびサーキットを走り、レベルアップをめざすなら、POWER GP2をお勧めする。しかし年1回程度のサーキット走行会参加なら、POWER 6で何の問題もない。普通に楽しめるグリップ力だ。
POWER GP2とのグリップ力に差はあるものの、それはかなり攻め込んで深く寝かせた際に感じられる程度のものだ。走行会ぐらいの走りであれば、グリップ力はほぼ同等と言ってもいい。
とは言え、POWER GP2とPOWER 6のキャラクター分けは非常に明確で、よりスポーティーなPOWER GP2、より快適でワイドレンジなPOWER 6とクッキリとした違いがある。
ハンドリングにも、その特性の違いが顕著に現れている。POWER GP2は高い旋回力を発揮するが、ケース剛性の硬さもあって、ライダーが意識的かつ積極的に荷重をかけた時により真価を発揮する。一方のPOWER 6は、もっとオートマチック。
「ライダーが何もしなくても曲がる」とまで言うと語弊があるかもしれないが、それぐらいの印象だ。
自分の意思でバイクを操りたいならPOWER GP2、もっとラクに楽しみたいならPOWER 6が向いている。
ウェット路面でもコーナリングでも、タイヤの存在を意識させないPOWER 6。ライダーは走りに集中できるから、より安全にロングツーリングを楽しめるだろう。
(原田哲也)
FRONT | REAR |
110/70ZR17 | 140/70ZR17 |
120/70ZR17 | 150/60ZR17 |
160/60ZR17 | |
180/55ZR17 | |
190/50ZR17 | |
190/55ZR17 | |
200/55ZR17 | |
240/45ZR17 |