【DIRTSPORTS】K-cross監修 オフ車セットアップ&メンテクリニック 〜新車のグリスアップ〜【メンテナンス】
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![取材協力店: k-cross 埼玉県比企郡川島町出丸下郷177-1 TEL:049-272-7977 Eメール:kcross0520@gmail.com](https://ridersclub-web.jp/wp-content/uploads/2024/10/k-cross-1.jpg)
TEL:049-272-7977
Eメール:kcross0520@gmail.com
取材協力店: k-cross
今回k-crossに持ち込まれたのは新車のCRF。早く乗りたい気持ちを抑え、ノウハウを持つ専門店で、まずはグリスアップ!
PHOTO&TEXT/DIRTSPORTS
グリスアップのノウハウを伝授!
今回解説してもらうのは新車のグリスアップ。工場から出荷されたばかりの新車モトクロッサーは、ガソリンを入れてセルスターターで始動すれば走れる状態ではある。だがしかし、その前に必要なのがグリスアップだ。
今回モデルとして登場したのは2025年型CRF450。まずはグリスの状態をチェック。ステムベアリングとリンクには少量のグリスが塗られていたが、ダストや水分の侵入があり、過酷な走行状況の中で消耗していくベアリングに対して十分な量とはいえない。また、スイングアームや、見落としがちなチェーンアジャスターなどもチェックすると、ほぼカラカラだった。そこで適材適所のグリスを、しっかり塗り込んでいくというのが、今回の作業内容だ。
主に使用したのは耐水性のリチウムグリースだが、ブレーキ系やエンジン内部などに使用するモリブデングリース、電装品の接触部など、グリースも用途で分ける必要があるので揃えておくと良いだろう。
新車状態のステムベアリング
![白く見えるのが新車で組み込まれているグリス。塗られているとはいえ、水、ダスト侵入を抑え、ベアリング消耗を防ぐためにも量は十分とは言えない状態だ](https://ridersclub-web.jp/wp-content/uploads/2024/10/メンテ差し替え.jpg)
ステムベアリングをグリスアップ!
1.
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新車状態のスイングアーム
![スイングアームやシャフトには油分が見当たらない。まさに組み込む際に必要な最小範囲の油分しか使われていないので、このままの状態で走り出さないように](https://ridersclub-web.jp/wp-content/uploads/2024/10/メンテ-5-1.jpg)
スイングアームをグリスアップ!
![後ほど登場するリンクには多少のグリスの存在を見ることはできたが、スイングアームのベアリングはカラカラ状態。ここも耐水性のグリスをしっかり塗り込んだ](https://ridersclub-web.jp/wp-content/uploads/2024/10/メンテ-6-1.jpg)
![後ほど登場するリンクには多少のグリスの存在を見ることはできたが、スイングアームのベアリングはカラカラ状態。ここも耐水性のグリスをしっかり塗り込んだ](https://ridersclub-web.jp/wp-content/uploads/2024/10/メンテ-7-1.jpg)
後ほど登場するリンクには多少のグリスの存在を見ることはできたが、スイングアームのベアリングはカラカラ状態。ここも耐水性のグリスをしっかり塗り込んだ
新車状態のリンク
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リンクをグリスアップ!
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ホイールベアリングをグリスアップ!
![ベアリングとベアリングの間、ベアリングとディスタンスカラーの間にも防水の意味を込めてグリスを指で塗り込む。またダストシールの裏側にも薄く塗ることで、ダストシールが摩耗し、すり減った際の水分の侵入を防ぐ。もちろんダストシール自体も消耗品だ](https://ridersclub-web.jp/wp-content/uploads/2024/10/メンテ-10-1.jpg)
チェーンアジャスターをグリスアップ!
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加藤店長曰く、「今までどのメーカーの新車でもチェーンアジャスターがグリスアップされているのを見たことがない」のだとか。錆びて固着するパターンが少なくないので、ここも忘れずに!
ブレーキキャリパーもチェック!
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ピストンやブレーキパッドピンなどもグリス(ブレーキプロテクター)を足しておく。取り付けボルトにはスレッドコンパウンドを綿棒で塗り、かじり、焼きつきを防止!
ステムの締め付け手順とトルク管理は?
![「車体周りの締め付けで一番難しいところ」と加藤店長が話すステム。セルフでステアリングが勝手に切り始めるところを、標準として探っている](https://ridersclub-web.jp/wp-content/uploads/2024/10/メンテ-15-1.jpg)
![「車体周りの締め付けで一番難しいところ」と加藤店長が話すステム。セルフでステアリングが勝手に切り始めるところを、標準として探っている](https://ridersclub-web.jp/wp-content/uploads/2024/10/メンテ-16-1.jpg)
「車体周りの締め付けで一番難しいところ」と加藤店長が話すステム。セルフでステアリングが勝手に切り始めるところを、標準として探っている
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ステムのグリスを行った後に必要になってくるのが、正しい締め付け方とトルク管理。この手順を間違えると歪みも生じてしまうため、本来はこの項目だけを解説するスペースが必要だが、それはまた別の機会で。簡単に説明すると、ベアリングのグリスによるクリアランスが発生するため、それを取るために一度少し強めにナットを締めてから緩める。その後に締め込み、プリセットをかける段階で適正を決める。
ステアが軽すぎるとガタに繋がり、重すぎるとハンドルがステアしにくくベアリングのダメージも多くなる。ここは難しい箇所なので、自分でトライアンドエラーでやってもいいが、ノウハウがある店などに任せたい。