【KUSHITANI フォワードアドスーツ】2024 いますぐ買いたい! Must Buy Item
問/クシタニ
TEL053-441-2516
https://www.kushitani.co.jp/
過酷なラリーにも対応できる機能&快適性、タフネスさを実現
レーシングスーツに代表されるサーキット用ギアや、ロードモデル用バイクウエアのイメージが強いクシタニだが、このところ、オフロード向けウエアのリリースが相次いでいる。昨年、オフロードパークのオンタケエクスプローラーパークを開設したのも、自前のウエア開発環境が必要であったことが理由の一つにあるという。
この春の新製品であるラリースーツ、フォーワードアドジャケットとフォーワードアドボトムスも、オンタケエクスプローラーパークで走り込んで開発されたもの。コンセプトは、過酷な海外のラリーレイドを、快適・安全に走り抜くことが可能な、戦うためのウエアだ。既にプロトタイプを砂漠が舞台となるラリーレイドに実戦投入。そのポテンシャルの高さを確認済みだ。
さて、いくらクシタニが力を入れた新製品とはいえ、オンロードでのスポーツライディングをテーマに掲げる本誌で、このアイテムを取り上げることに違和感を感じるむきもあるかもしれない。だが、それには理由がある。ラリーレイドは、数週間をかけ過酷な環境下で走り続ける競技。安全性や快適性はもちろんのこと、バイクを意のままに操るための運動性が求められるなど、ウエアへの要求値が非常にシビア。ラリースーツは、ある意味で走りに特化したウエアと言って差し支えないのだ。
表地は強靭な100%ポリエステルを多く使用、化学繊維としては最強レベルの強度の素材だ。それを立体裁断・立体縫製で形にし、ライディングポジションに最適化。さらに、柔軟性が必要な部分にはストレッチ素材を配している。アクシデントからの乗り手の保護と、ライディングに欠かせないボディアクションを妨げないための配慮が徹底している。
長時間走行で、疲労の原因となるウエアのバタつきも徹底排除。一般的なテキスタイルウエアと比較して、アジャスターの装備数が多く設けられている。アジャスター機能は、ライダー個々の体型に合わせたフィッティングも意識したもので、運動性にも大きく寄与する部分だ。
また、快適性にもこだわりをみせる。ベンチレーションの数も多いのだが、各々の開口部が大きく、走行風を効率よく取り込み、排出するために立体的な作りが施されている。背中がほぼ全開になる、背面のベンチレーションは圧巻で、暑い時期にはありがたい装備。他にも、コストを度外視したレインスーツいらずの防水性や、濡れた時もすばやく乾燥させるための工夫など、そこまでやるかと驚かされるポイントが満載だ。
スポーツライディングにおけるウエアの最適解が、レーシングスーツであることはひとつの真理だろう。だが、バイクで走る時、常にレーシングスーツを着用するのは、主に快適性や疲労度の点からハードルが高い。汎用性と万能性を考えた時、フォーワードアドジャケットとフォーワードアドボトムスは、最強レベルのライディングウエアと呼んでも過言ではないだろう。ラリーストだけに独占させるのは勿体無い。