KAWASAKI Z900RS Impression【中野真矢&平嶋夏海が新たな価値感を見出す】
今買えるKAWASAKI Z900RSシリーズ
5年連続販売台数トップを記録し、独走を続けるカワサキZ900RS。外観デザインの源流にあるのは900 SUPER4(Z1)なことは疑いようがなく、発売以降人気が途切れない理由もそこにあるはずだ。
カワサキにはZのほかにも、ニンジャとWというヒストリックなモデルがあり、どれもカワサキらしさに溢れたブランドといえる。しかしその後の派生と進化を考えれば、Zは別格であるし、カワサキそのものだ。
ただし、Z1をオマージュして蘇らせたカワサキのネイキッドはZ900RSだけではない。1989年に発売されたゼファーは、レーサーレプリカブームを終焉に追い込むほどの大ヒットを飛ばしている。
Z1は、世界最速を目指したスーパーバイクである。しかしゼファーは、風を楽しむゆとりある走行性能を特徴としたネイキッドであり、Z900RSも然りだ。そう考えると、Z900RSはゼファーのリメイクといえなくもない。
いずれにせよ、Z900RSの外観は、日本のバイクにとって永遠のスタンダードであり、しかも格好いい。この価値観はもはや不変なものだろう。
たとえば百科事典の「バイク」という項目には、Z900RSの写真を添えるのがもっともわかりやすく誤解がない。そう、バイクのかたちとは、Z900RSのことなのだ。
Z900RS:過不足のない走行性能とフレンドリーさを兼ね備える
Z900RSには派生モデルもあるが、スタンダードも高い完成度を持つ。Z900をベースとするエンジンとシャシーは、市街地走行からツーリングまで万遍なく高性能を発揮し、ラフな服装でも乗れるフレンドリーさも兼ね備える。イヤーモデルによって車体色が異なり、初期型と50周年記念車の火の玉カラーは今も人気だ。
Z900RS SE:ブレンボとオーリンズで上質な走行性能を備える
グラフィックに往年のイエローボールを採用した、スペシャルエディションたるこのSEは、フロントにブレンボ製M4.32ラジアルマウントモノブロックキャリパー+ディスク+パッドを装備。さらにリアショックはオーリンズ製S46を装着し、それに合わせてフロントフォークのセッティングを最適化。上質な走りを楽しむことができる。
Z900RS CAFE:ビキニカウルが作り出すカフェレーサースタイル
スタンダードとの主な相違点は、ビキニカウルとローポジションハンドル、シート。これらによってカフェレーサースタイルを作り出し、スポーティなカスタム感を演出。エンジンやフレームなどの諸元はスタンダードと同一で、装備品のぶん車重は2kg増え、シート高は20mm高いが、乗りやすいネイキッドであることは変わらない。