ヤマハYZF-R125/MT-125/XSR125/YZF-R15【高速コーナーが楽しい扱いきれる15ps】

サーキットで、ヤマハの新型125シリーズに乗れるチャンスがありました。これを逃す手はないと、締め切り直前にもかかわらず参加。お目当ては、スポーツライディングができそうなYZF-R125でした。やっぱりアクセルを全開にできるバイクは楽しい! と再確認してきました。
PHOTO/S.MAYUMI TEXT/S.KAWAMURA
取材協力/ヤマハ発動機 70120-090-819
https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/
新型125に一気乗り注目はYZF-Rの末弟
原付二種クラスの魅力や優位性を語っていくと、それだけで紙幅が尽きてしまいますが、大きくは「軽さと扱いきれるパワー」だと思っています。リッターバイクでは躊躇してしまうUターンですら、ひょいっと出来てしまったりします。ミニバイクレースが人気な理由の一つとして、気兼ねなく開けられる楽しさも含まれるのではないでしょうか。
ショートサーキットでは17インチフルサイズ125㏄のレースがあったりするわけで、その界隈でもこの新型125シリーズは話題になっているようです。僕もスポーツライディング好きとして、ファンバイクとはいえサーキットでのポテンシャルは気になっていました。
目の前に並んだ3台は、エンジンとプラットフォームが共通しているとは思えないほど、見事に意匠が造り分けられています。注目は、やはりYZF-R125でしょう。兄貴分のYZF-R7そっくりのデザインは、遠目じゃなくても見間違うレベル。特にコックピットまわりの完成度は高く、肉抜きされたトップブリッジと、その下に装着されたセパレートハンドルなんて、それだけワクワクしてきます。



走り初めてすぐに、ハンドリングの軽快さと素直さを感じました。デルタボックスフレーム、倒立式フロントフォーク、リアのリンク式モノショックに加えて、リアタイヤは140/70のワイドさ。バイクブーム世代にはたまらない装備が満載で、しかもそれらがきちんとバランスし、機能しているのです。
タイヤが温まったところで、エンジンを回しきってみます。小排気量車の良いところは、僕レベルでもカチッとストッロルを全開にできるところ。タコメーターのバーは一気にレッドゾーンまで跳ね上がります。

VVA(可変バルブ)は7400rpmを境にカムプロフィールが切り替わるのですが、タコメーターを注視しつつゆっくり回転を上げていっても、いつ替わったのかは体感できませんでした。メーターに「VVA」マークが表示されるのみです。それだけ自然に作動するのですが、切り替わり時にメカニカル音がするなど、回している感を楽しめる演出があっても良いかと思いました。
慣熟走行で感じた軽快なハンドリングは、ペースを上げていくにつれ安定性が増していき、高速コーナーが楽しくて仕方ありません。前傾したライポジで自然にフロントに荷重できるのも、安心感につながっています。体重移動がしやすいので、S字の切り返しも自在でした。
本気で遊ぶなら、ブレーキはもう少し初期制動力が欲しいところですが、そこは好みも分かれるところ。正直、通勤バイクの買い替えを検討したくなりました。



YZF-R15【+31ccの余裕が行動範囲も広げてくれる】
わずか31ccと4psですが割合的には結構な差異となり、その分楽しさが増す感じ。ファイナル変更も関係して各ギアの守備範囲も広く感じました。高速道路に乗れるアドバンテージも大きいです。

MT-125【モタード風ライポジで街中を俊敏に走れる】
外装だけでなくリアフレームまで専用設計の意欲作。ライダーの動ける範囲が広がるバーハンドルと、剛性の高いフロントまわりによるクイックな操安で、ジムカーナ的な走りにも応えてくれます。

XSR125【取り回しやすい軽量車体はUターンも楽勝】
ハンドル幅が広くシート前後長もあるので、ライポジの自由度は高いです。ニーグリップしやすい燃料タンク形状と軽い車体、1サイズ太いフロントタイヤも相まって、ゆったりとした走りも可能です。

