【ハスクバーナーモーターサイクルズ Vitpilen 401/Svaltpilen 401】求めたのはストリートでの俊敏性
ハスクバーナ・モーターサイクルズは2024年モデルとして、新型となったVitpilen401とSvartpilen401を発表した。ここではスペイン・マラガで開催された国際試乗会で感じた両車を紹介する。
PHOTO/Husqverna Motoecycles TEXT/T.KOHNO
取材協力/KTMジャパン TEL03-3527-8885 https://www.husqvarna-motorcycles.com
コンセプトはそのままにエンジンとシャシーを刷新
カフェスタイルのヴィットピレン401と、スクランブラースタイルのスヴァルトピレン401は大きく進化した。その変更点は……すべてである。いや、あらゆる方向性で、という表現が正しいだろう。ミニマルでクリーンという、401シリーズ(のちに発売された701も共通)のデザインコンセプトを引き継ぎながら、701的なやや大柄なボディデザインを新たに構築した。
ヴィットピレンは、セパレートからアップハンドルになり、ロードスタースタイルとなった。これによりスヴァルトピレンとのキャラクターやライディングポジションの差は小さくなったが、両車とも走りのパフォーマンスと先進性を高めながら、よりユーザーフレンドリーになった。
まずエンジンは排気量を25.6cc拡大して398.6ccに。新造されたカムシャフトや、DLCコーティングを施したロッカーアームなどを採用したシリンダーヘッドは小型軽量化を実現。新世代のFIはハードとソフトをアップデートし、欧州の新排ガス規制EURO5+に適合している。
ギアボックスも刷新され、パワーアシストクラッチとアップ/ダウンに対応するクイックシフターとの組み合わせにより、クラッチレスでのシフトタッチも向上している。
シャシーも一新された。新しいレイアウトのトレリスフレームは、リアサスペンションを車体右側に配置。スイングアームも新造された。
また前後サスペンションにはWP製APEXシリーズを採用。それらによってホイールベースは、従来よりも約10mm延長されている。
この新しいエンジンとシャシーの組み合わせで、走りは大きく進化した。試乗コースに組み込まれていた高速道路では、日本の法定速度よりもはるかに高い速度域で巡行する機会もあったが、そこでの安定感は非常に高く、一方でワインディングではとても軽快であった。
ライダーが車体の重心に近づいたことでマシンとの一体感が増し、しなやかに動く前後サスペンションによって走りのリズムも作りやすくなっている。試乗途中、サスペンションのストローク量を確認すると、前後ともしっかりと奥まで使っていたのに、加減速時の姿勢変化はとても自然。
それに加えて、パワフルで伸びやかになったエンジンが車体をグングン前に押し出していく。特に6000rpmから上の加速感は痛快だった。
シングルスポーツは、まだまだ進化する。新型ヴィットピレン/スヴァルトピレン401に乗れば、そのことを痛切に感じることができる。
Vitpilen 401/Svartpilen 401
SPECIFICATIONS | Vitpilen/Svartpilen 401 |
---|---|
エンジン | 水冷4ストロークDOHC4 バルブ単気筒 |
総排気量 | 398.6cc |
ボア×ストローク | 64×89mm |
圧縮比 | 12.6:1 |
最高出力 | 45ps/8500rpm |
最大トルク | 39Nm/7000rpm |
変速機 | 6速 |
クラッチ | 湿式多板PASCスリッパークラッチ |
フレーム | スチールトレリス |
キャスター/トレール | 24°/95mm |
サスペンションF | WP製APEXφ43mm倒立フォーク |
R | WP製APEXモノショック |
ブレーキF | バイブレ製4ピストンラジアルマウントキャリパー+φ320mmシングルディスク |
R | ブレンボ製2ピストンフローティングキャリパー+φ240mmシングルディスク |
タイヤサイズF | 110/70-R17 |
R | 150/60-R17 |
ホイールベース | 1368mm |
シート高 | 820mm |
車両重量(燃料除く) | 154.5(159)kg |
燃料タンク容量 | 13L |
価格 | 79万9000円 |