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環境を変え人に会うことで人生を切り開く冒険家|ガルちゃん

インスタグラムのフォロワー数、約6万5000人。“Life is journey”をモットーに世界各国を旅する冒険家のガルちゃんはバイク乗りでもある。そんな彼女の個性的すぎるバイクライフを聞いてみた。

気になることがあれば次の日には動く

知れば知るほど、いったい何者?と興味をそそらずにはいられない。冒険家として世界2周を旅し、滝行家としてたびたびテレビにも登場している、ガルちゃん。彼女が発信の場としてもっとも活用しているというインスタグラムを覗くと、モデル、総合格闘技、スキューバダイビング、パラグライダー、一級小型船舶……、果たして同一人物のプロフィールなのかと驚いてしまうほどだ。

本誌モーターサイクルライフに登場していただくということは、もちろんバイクにも乗っている。

「東京での移動手段としてバイクに乗っていました。でも普通にバイクを所有するのもつまんないから、バイク便をやっていました。その頃、1カ月の半分ぐらいは海外に行ってたので、バイクを預かってもらえるし整備もしてもらえるのでいいかなと思って」 

そんなガルちゃんがバイク乗りとしてメディアやメーカーのプロモーションに登場するようになったのは2019年、英国発の二輪ブランド、マットモーターサイクルズとの出会いがきっかけだった。

その後、同ブランドが提携する全国のカフェをバイクで巡る「冒険家Garu chanの日本縦断カフェ巡りの旅」がスタート。カフェは全国に約50カ所、北は北海道から南は九州・熊本まであり、ルートやスケジュールはガルちゃんの興味の対象によって決まっていったという。

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バイクに乗るのが好きというより、バイクに乗って人に会いに行ったり、バイクで出かけて行く場所が好きという。日本縦断カフェ巡りでも多くのライダーに会いに行った。

「基本的にホテルには泊まらないというルールを決めました。たとえば青森にいたら『今、青森にいます。誰か泊めてください』ってフォロワーさんに泊めてもらえそうな家を探してもらったり、いい感じの庭を見つけたらチャイムを鳴らして『お庭でキャンプさせてもらえませんか?』ってお願いしたり。岩手の遠野では、牛農家の家に居候させてもらってハイジが寝るような藁のベッドで寝る生活をしてました。寝てる横で仔牛が生まれたり……あれはけっこう印象的でしたね」

東京から九州までの自走も、給油以外ほぼノンストップで走るというタフさ。

普通ではなかなか経験できない数々の体験をしているガルちゃん。でも彼女にとってそれは特別なことではない。自分の感情に正直に生きているだけ。

「気になることがあったら次の日には動いてますね。だから、欲はあるけど欲がないっていうか、“いつか”ってことがないんです」

キャンプは旅につきもの。ガルちゃんが主催してキャンプイベントを行うこともあるという。

そのパワフルな行動力で、今年はアパレルブランドとコラボして電熱ベストも作った。写真でガルちゃんが着用しているベストがそうだ。「今までにないクラシカルなデザインのヒートベスト」をコンセプトに、ガルちゃん自身、納得できる電熱アイテムを作りたいと自らメーカーに提案し生まれたものだ。

アパレルブランド「カペルティカ」とガルちゃんがコラボで作ったヒーティングベスト。同ブランドのオンラインショップとモーター系セレクトショップの「モトーリモーダ」でも販売している。

命を絶つ場所を探しに行った

自由奔放でやりたいことをすべて実現してきているガルちゃんだが、そんな彼女にもつらい時期があった。世界2周の旅をするようになったきっかけを聞いたら「命を絶つ場所を探しに行った」と言う。OL時代に過酷な労働環境でうつ病を患い、その入院中にたまたまテレビでインドの特集を観て、ここで死のうと考え向かった。

だが実際行ってみると、自分よりつらい思いをしている人に励まされたり、困っている人達も大勢いることを知る。

「アフリカのとある村にいたとき、10キロ歩いて水を汲みに行くって村があって、子供たちが運んでるんです。私も2往復ほど頑張ったんですけどね。でももしそのときにバイクがあったら、子供たちを後ろに乗せて水汲みに行けるなと思って」 

コロナ前の旅では全行程をほぼ歩いて旅したというガルちゃんだが、2022年に予定している旅はバイクによる世界1周。いろいろリサーチをし、ルートもほぼ決まっていて、現在はスポンサー集めをしているとのこと。

「“三つ子の魂百まで”ってことわざがあって、人の気持ちや性格って変わらないと言われるけど、私は変えられると思っています。それにはふたつあって、ひとつは環境を変えること。もうひとつは人に会うこと。違う場所に身を置いたり人に会うことで、これまで自分が知らなかったことを経験したり、価値観を得ることができます。だからこのふたつは積極的に取り入れるようにしています」

旅することで違う環境に身を置き、その地で様々な人と出会うことで、人生観がどんどん変化しているというガルちゃん。自らの道を自分の力で切り開いてく様はまさに冒険家だ。

「今度の旅では、ボランティアじゃないけど困っている人のためになるような面白いことがしたいですね。たとえば井戸がない村にクラウドファンディングでお金を集めて井戸を作るとか、面白そうじゃないですか? お金やモノだけ送って、ハイ終わりってのはしたくないんです」 

次の世界1周バイクの旅もきっと刺激的な旅になるに違いない。

これまで行った国は世界100カ国以上、写真はタイを旅したときのもの。旅は基本的には歩きで、海を渡るときは漁船をヒッチハイクしたりもしたそう。

滝行家としてテレビにもたびたび登場している。毎年年末はガルちゃん主催の滝行イベントを行うそう。ガルちゃんのインスタグラム(@garuchan01)をチェックしたい。

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