これから試したい! 読者に刺さったGPライダーの極意 ベスト10:2
本誌で掲載された数々のライテク記事の中から、特に「分かりやすかった」「すぐに効果が実感できた」というテクニックを、RIDERS CLUB読者に選んでいただき、オンラインで投票を実施した。各記事で講師を務めてくれたのは、言わずと知れた元世界GPライダーの3名。彼らの教えは共通する部分が多いが、表現が微妙に異なる場合もあり、どのライダーの言葉が“刺さる”かは、人それぞれだ。今回の特集では、そのテクニックが掲載されたバックナンバーも案内している。ぜひ、過去のRIDERS CLUBを読み返し、ライダーによる表現の違いなども楽しんでもらいたい。
PHOTO/H.ORIHARA, S.MAYUMI
TEXT/T.TAMIYA, G.TAKAHASHI
technique_2/旋回中は上半身を低く下げ車体の重心に身体を近づける
→車体との一体感・安定感が高まる
- 読者のココに刺さった!
- コーナリングの安定感が高まったし、後輪への荷重も感じられる(Kazuさん)
- 最初は怖かったけど、慣れるとこうした方が安心できるように(山元さん)
- 頭を下げるだけで曲がり方が変わった!(トシヒロさん)
かつては、ハングオフのときに「頭を車体の中心に残し、肩をコーナーの先に向けるようなイメージで、肘はコンパクトに畳んで……」がセオリーでした。しかし、近年では「上半身は頭ごと大きくイン側にズラし、アゴをハンドルのグリップに近づけ、イン側の肘は張り出して……」というフォームが主流となっています。
この理由について、中野真矢さんは「近年の市販車(特にスーパースポーツ系)は、マシンのバランスや前後サスペンションの性能、電子制御の信頼度、タイヤのグリップなどが向上し、レースシーンと同じような走りを実現しやすくなったため」と解説しています。
現代的なフォームの利点は、上半身が全体的に下がることで、マスの集中が進み重心が低くなるため、コーナリング時の安定感が高まる点にあります。また、腕でハンドルにしがみついたり、ぶら下がったりすると、ハンドリングに悪影響を与えるため、下半身で車体をしっかりホールドして体勢をキープすることが重要です。
ただし、中野さんは、昔のセオリーを完全に否定しているわけではありません。「頭をセンターに残すコーナリングフォームには、マシンのスライドや予期しない挙動に対処しやすいというメリットがあります。僕の場合、路面がウェットだったり、タイヤが冷えているなど滑りやすい状況では、意識的に頭をセンター寄りにしたフォームを取ることもあります」と説明しています。
- このライテクの掲載号
- ’23年3月号 No.587/スーパースポーツ克服術
- ’23年10月号 No.594/ヒザを擦りたい!
- ’23年12月号 No.596/スポーツライテクFAQ
- ’24年2月号 No.598/スポーツライテクの趨勢