公道をスマートに走るための基本テクニック【ふらふらしない発進をマスターしよう!】
公道走行で、ライダーの技術差がビジュアルに表れやすいのが〝発進〞。上手なライダーは、美しい所作と安定感ある車体の動きでバイクを動かしていく。市街地や観光地で他人に見られる機会が多い瞬間なので、カッコよさの追求を!
エンジン音からも発覚する無意識のラフな操作
自分のバイクを持っているなら、発進なんてできて当然……なのだが、〝スマートに〞となると話は別。なんだかちょっとフラつくとか、いつまでも片足がステップから外れた状態なんてライダーを、街で見かけることは多い。極めつけはエンジン回転数のフラつき。随分吹かしたと思ったら、その後は何度も排気音が上下。しかも本人はカッコつけてあおっているつもりは皆無……なんてことは多い。まずは自分が〝ちゃんとできているかどうか〞の確認を!
POINT1:愛車の半クラッチの位置をちゃんと理解できている?
発進で車体がフラつく要因のひとつは、半クラッチの時間が長いから。半クラッチには段階があり、“ブレーキをかけたままクラッチを放した時、エンストする寸前”を使うと、スムーズかつ安定感のある発進になる。
このクラッチレバー位置まで、いかに素早く到達させられるかがキモ。スロットル開度が一定なのにエンジン回転数が何度も上下する人は、無意識に半クラッチの位置を微妙に変化させている可能性がある。
POINT2:スロットルの開け遅れがフラつきの原因だ!
大排気量車などのトルクがあるバイクや、発進時の回転アシスト機能を備えた車種は、少しでもクラッチを繋ぐと車体がゆるゆると動き出すが、右ページで説明した力強く車体を進められる半クラッチの位置まで素早く持っていく方が車体は安定する。ただしここでスロットルを開けるのが遅れると、エンストしかけてクラッチを切り、また繋いで……と、不安定の原因になりやすい。ちょっとだけ早めに回転を上げよう。
POINT3:半クラでのスピード調整がふらつきの元だ!
発進時に半クラッチの繋がり具合で車速調整しようとする人は結構多いが、これは難易度が高く、クラッチを完全に切ればフラつきの原因になりやすい。発進でギクシャクしないためには、車体が動き出したら一気に繋ぐ。発進後、極低速をキープしたまま小回りするシーンでは、半クラッチの位置を固定し、スロットルを多めに開け、リアブレーキの踏み具合で速度調整すると安定する。
POINT4:発進の時は片足で支えるのがオススメ
立ちゴケに対する恐怖心から、足着きが悪いバイクでも両足を着こうとするライダーは多い。しかし、むしろこの方が左右に重心が動きやすくて不安定だ。腰を左側にずらして左足で車体を支えた方が、左足の裏がしっかり地面を捉えられ、右足はステップでホールド&リアブレーキ操作も可能になるので安定する。発進時も、このままの状態でスタートすれば、ホールド不足を防げて極低速段階から車体を安定させやすい。
POINT5:発進したらいつまでも足をブラブラ出しておかない
大昔のレースシーンでも真似ているのか、発進してからいつまでも片足を引きずるように出しているライダーを見かけるが、はっきり言ってカッコ悪いし、間違って地面に足が触れたら後ろに持っていかれて危険。また、ステップから片足が離れた状態では下半身の車体ホールドが不十分で車体が安定しづらい。上手なライダーほど、発進直後から両足をステップに載せて操縦しているのだ。