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「丁寧さ」で走りが変わる!【ネイキッドでスポーツライディングする:Part02】

一般的なネイキッドは、スーパースポーツと比べて柔らかい足まわりとしなやかな骨格を持つ。想定されているスピードレンジが低めで、多彩なシーンに対応する車体設計だからこそ、より丁寧な操作でスポーツ性を高めてあげる必要があるのだ!

〝待ち〞の時間をつくり挙動を安定させるべし

車種にもよりますが、ネイキッドは前後サスぺンションがソフトで、車体剛性がスーパースポーツより低め。だから、急な操作や激しすぎる入力に対して弱い傾向にあります。 

そこで、ブレーキングやコーナリングで心がけたいのは、〝待ち〞の時間を設けてあげること。ブレーキングは、一気にノーズダイブしてしまわないよう、一瞬緩めにブレーキレバーを握ってフロントフォークの動きを落ち着かせてから、本格的な制動をスタート。コーナリングでも、ある程度のバンク角を維持して車体の挙動が落ち着くのを待ち、そのタイミングでライダーがマシンの旋回力を引き出す操作をしてあげましょう。

ブレーキングでもコーナリングでも、下半身で車体を操るのが基本ですが、かと言って腕の力は「抜く」ではなく、「使う」がセオリー。この点はスーパースポーツも同じなのですが、バーハンドルのネイキッドは上からグリップを握り押さえつけるような操作になってしまうことも多いので、手のひらで前方向に押す操作で微妙な入力ができるように、フォームも含め心がけてください。 

ライディングパーティの先導走行では、僕たちも好んでネイキッドを選びます。というのも、楽に乗ることもできるし、広い視野で余裕を持って走れるし、それでいてポテンシャルを最大限に引き出してあげればかなり速く走ることも可能だから。スーパースポーツ以上に、ファンライドレベルでも考えて乗ることが求められますが、これも楽しさにつながります。ですから僕は「ネイキッドから始めるサーキットライディング」を皆さんに推奨します!

 (中野真矢)

Lesson_1:サスペンションを落ち着かせるためブレーキレバーは2段階で握るイメージ

車種やセッティングにもよるが、一般的にネイキッドの前後サスペンションはソフト傾向。

そのため、ブレーキングでスーパースポーツのような感覚でガツンとブレーキレバーを握ると、反動でフロントフォークが一気にボトムし、それに起因して前輪がロック(またはABSが作動する)したり、車体が振られるなどの状態につながりやすい。これを避けるため、初期段階では緩めにブレーキングしてフォークのスプリングをある程度縮めつつ一度落ち着かせ、その後に強くブレーキングする。

ただしこれを、段階的ではなくシームレスかつスムーズに実施するのが理想!

サスを落ち着かせるためレバーは2段階で握るイメージ
サスペンションを落ち着かせるためブレーキレバーは2段階で握るイメージ
【①:早めに弱く掛けてフォークの動きを落ちつかせる】スーパースポーツがコーナーの150m手前でブレーキングを開始するなら、ネイキッドは180m程度でレバーを握りはじめるイメージ
【①:早めに弱く掛けてフォークの動きを落ちつかせる】スーパースポーツがコーナーの150m手前でブレーキングを開始するなら、ネイキッドは180m程度でレバーを握りはじめるイメージ
【②:落ち着いてから強く握り制動力を高めていく】緩めのブレーキングでフロントフォークを軽く縮め、プリロードがかかっているのと同じ状態で落ち着かせてから本格的なブレーキングに移行する
【②:落ち着いてから強く握り制動力を高めていく】緩めのブレーキングでフロントフォークを軽く縮め、プリロードがかかっているのと同じ状態で落ち着かせてから本格的なブレーキングに移行する

Lesson_2:ハンドルは手のひらで押すようにして微調整

スーパースポーツもネイキッドも、コーナリング中にライダーがハンドルに微妙な入力を加え、セルフステアを制御するのは同じ。

ただしネイキッドは、スーパースポーツと比べてオン・ザ・レール感が少ないので、車体の挙動が安定する瞬間を待ち、そのタイミングで積極的に旋回力を引き出す操作がより必要になることも多い。

このときに、グリップを上からガッチリ握っていると、繊細な操作が難しいので注意したい。

【グリップは強く握らず、軽く押すだけ】スーパースポーツでもネイキッドでも、ハンドルへの入力は手のひらのうち小指から薬指の根元付近でグリップを押すように操作すると、微妙な力加減を調整しやすい
【グリップは強く握らず、軽く押すだけ】スーパースポーツでもネイキッドでも、ハンドルへの入力は手のひらのうち小指から薬指の根元付近でグリップを押すように操作すると、微妙な力加減を調整しやすい
【上から握ると微妙な操作がしにくくなる】ネイキッドはバーハンドルなのでグリップ位置が高めになりがち。そのため上体を伏せずにいるとグリップをつい上側からガッシリ握りやすい。これだと、フロントまわりを必要以上に押さえつけることにもつながるし、左右方向にハンドルを切るときに繊細なコントロールがしづらくなる
【上からグリップを握ると微妙な操作がしにくくなる】ネイキッドはバーハンドルなのでグリップ位置が高めになりがち。そのため上体を伏せずにいるとグリップをつい上側からガッシリ握りやすい。これだと、フロントまわりを必要以上に押さえつけることにもつながるし、左右方向にハンドルを切るときに繊細なコントロールがしづらくなる
ヒジを落として余裕を持たせて腕を動かしやすくする
ヒジを落として余裕を持たせて腕を動かしやすくする

Lesson_3:いい意味での「曖昧」さを生かして自分でスポーツ性を引き出そう!

ネイキッドは、スーパースポーツほど車体やサスペンションがカッチリしすぎておらず、純正タイヤもそれほどハイグリップではない。

これは、スポーツライディングにおいて短所のように思えるが、春先などの寒い時期でも早めの段階から車体の挙動を掴みやすいとか、低めの速度域でもピッチングを作りやすいなどのメリットにもつながる。

自分で操る楽しさを感じやすいというのも、ネイキッドの魅力なのだ。

【ミドルクラスならばさらに丁寧に操作】ミドルクラス以下のネイキッドは特にサスペンションのグレードや車体剛性がより低い。そのためより丁寧に“待ち”の時間を意識して乗りたい
【ミドルクラスならばさらに丁寧に操作】ミドルクラス以下のネイキッドは特にサスペンションのグレードや車体剛性がより低い。そのためより丁寧に“待ち”の時間を意識して乗りたい

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